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特集 vol.1
国連デーフォーラム 「国連で働く」
Ms.
Eriko Kiuchi ILO (International Labour Organization)
ILOはジュネーブに本部のある仕事と人権/社会問題を担当する国連の専門機関です。児童労働や強制労働に対する取り組みは、20世紀前半から行っています。よくタイやフィリピンから女性が連れてこられて働かされるというような話を耳にするかと思います。そういった地域内、あるいは国境を越えたトラフィッキング(人身売買)について、あるいは劣悪な労働環境や搾取に関して働きかけを行っています。
トラフィッキングと一口にいっても、売買春、季節労働、強制結婚、家庭内労働など様々な形態があります。東南アジアでいうと現在は特にタイに周辺諸国から人が流れ込んでいるという現状があります。この背景には、この地域内における経済格差はもちろんのこと、人口構成の不均衡も関係しています。
メコン川流域におけるILOの取り組みとしては、仕事と人権、労働問題という観点から、予防と防止に焦点を当てています。また、男性と女性の社会的性差が大きいことも問題の原因の1つとなっているために、ジェンダーにも重点を置いた活動をしています。カンボジア、タイ、中国雲南省、ベトナム、ラオスを対象として、それぞれ現地事務所をおいて活動しています。
私は、このトラフィッキング・プロジェクトの統括事務所で働いています。 国境沿い、出稼ぎ労働者の多い農村などで具体的な活動を行っています。まず主眼は地元の住民であるということで、コミュニティ全体でトラフィッキングに対する予防措置になるような活動を推進しています。
意識の向上活動といって、トラフィッキングとは何なのか?ブローカーの手口や予防策などを学ぶ場を提供しています。また、識字教育などもあわせて行っています。その際に外から人を呼ぶのではなく、既存の人材や資源をなるべく利用するようにしています。児童自身によるキャンペーンを行ったりしているのはよい例だと思います。
また、日々の食料確保と雇用創出を目指した職業訓練も行っています。農業、畜産技術の取得、手工芸技術の伝達などを行っています。昔トラフィッキングの被害者だった人物が職業訓練を行うNGOでスキルを得て、そのままそのNGOで働くようになるというケースもありました。私自身の日々の業務は、各国現地スタッフとの連絡業務、報告書等の書類作成など机上の作業におわれがちですが、その合間に現地視察も行います。試行錯誤の中、効果的な予防策をみんなで作り上げていっているところです。
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