「ぼくの、目になってください」
それは、まさにワークショップの中で目の見えない参加者から出た言葉。
コーチから「何かリクエストはない?」と聞かれたときの彼の答え。
「ぼくの、目になってください。そして、ときには足に」
自分の内面を探り、自分の存在意義を再確認するためのコーチングで、
彼は最初にこの言葉を口にしました。
コーチは、彼と体を重ねるように立ち、そして同じ方向を向いて歩み始めます。
手をしっかりとつなぎ、目に見えるものを次々と彼に伝えながら。
「自らが熱く燃え、そっとまわりを照らす照明」
それが、彼の口にした彼自身の存在意義。この世に生を受けた使命。
コーチは言います。
「そんなあなたのことを、たくさんの人が待っていると思う」
静かな情熱に溢れたその言葉。
ああ、もうこれはコーチングなどではない。
裸の人と人が、魂を触れ合わせる瞬間。
ただ、ともにある、瞬間。
それを見守る半分の人が、泣いていた。
そして、残りの半分の人は、心の中で涙した。
彼の目が見えないからではない。
人と人が、こんな風に関われるのだと。
その尊い真実を目の当たりにして心を動かさぬ人はいない。