朝のリレー 谷川俊太郎
カムチャツカの若者がきりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女がほほえみながら寝がえりをつつとき
ローマの少年は柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球ではいつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
***
「朝のリレー」という詩がとてもすきだ。
地球上に住むすべてのひとたちが、
ひとつながりであることを感じられる詩だとおもう。
そして、昔から脈々と続けられてきた朝のリレーに加えて、技術革新は
新しい「つながりかた」を提供する。朝と夜が入れ替わっても、わたし
たちは同じときを共有して働くことができるようになった。ニューヨーク
とサンディエゴと京都で、同時多発的に会話ができるようになった。
今、必要なのは、「つながりあいたい」とおもうその気持ちだけだ。
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