「ガイアの夜明け」がスワンベーカリーを特集しました。スワンベーカ
リーは「クロネコヤマトの宅急便」生みの親である小倉昌男氏が経営
する障害者雇用を前面に打ち出したパン屋さん。
特に知的障害を持つ人たちが、通常の作業所では月に5,000円くらい
(一日ではなく、一ヶ月です!)しか稼げないところを、「月給10万円
の維持」を目標に店舗を展開しています。
スワンベーカリーのことはすでに知っていたので驚きはしませんでした
が、スウェーデンの例には度肝を抜かれました。なんと売上高1,200億、
従業員2万3千人、そのうち92%が障害者であるというSAMHALLという企業
が存在します。レストランを経営したり、製造業の下請けをしている
そうですが、それにしてもものすごい規模。
そして、今日のメインは神戸のスワンベーカリー開店までの物語。
神戸市で精神障害者を長年支援してきた坂井宗月さんという女性が仲間
と一緒に数々の困難を乗り越えながらついに大繁盛のお店を開くまでが
ドキュメンタリーで放映されていました。彼女は、本部の最終マーケ
ティング調査で立地条件の悪さと経営に対する甘さを指摘され、一度は
決まった開店の見送りを迫られます。
見ていて思ったこと。
「あー、甘い甘いっていうのはこういう風に見えるんだ」
きっと自分もこう人の目に映るに違いない。そういう思いが頭をよぎる。
彼女の商売の見通し、店舗の選び方は確かにまずかろうと思いました。
ナレーションも「ビジネスの厳しさが云々〜」と入り、テレビを見て
いた多くの人が同じように思ったに違いありません。
ところが、同時に私は別のことも考えました。
それは、傍観者のままで「甘い」と突き放すことはこんなにも
簡単だということです。
多少の知識とビジネスの経験があれば当たり前であることが「できない」
「わからない」彼女は、無謀とも無知とも見えます。しかし、本当に
「ビジネスの厳しさ」を知っている人がどれだけいるというのでしょう。
それはあまりに手垢のついた表現で、陳腐にさえ聞こえます。私が知って
いるほんとうに「経営」を知る先輩たちはそんな表現は決して使わない。
それより彼らが使うのは「覚悟」、あるいはそれに類似する言葉。
それはいったいなぜか?
「ビジネスの厳しさ」というのはあくまでも外に基準があるのです。
自分の外の世界は辛く、厳しい社会であると。しかし、自分で経営を
する人、すべての責任を自分に課そうとする人はそんなことは口が裂け
ても言いません。基準はあくまでも自分にあり、どのような状況にあっ
ても「覚悟」を決めて対応できるかどうか。いかにやりきるか。
その一点を考える。
そういう意味で、坂井さんという女性は、スワンの店舗を開く過程で
間違いなく「覚悟」という感覚を育てていたように思います。それは、
いかにスキルや知識が未熟であったとしても持ちうる感覚。そして、
体感しながらでしか生まれない。
この「傍観者が永遠に持ちえない感覚」を。
私は、今、彼女と同じように磨こうとしている。
[本日の日記に★ざぶとん一枚★]
投稿者 遙 : 2004年08月24日 01:31 | トラックバック (12)すごい共感!
Posted by: のいのい : 2004年08月30日 23:14