新宿の地下道に展示してあった墨書きの詩に足を止めた。
10分くらい、何度も何度も読み返した。
そして、なぜか、どうしても、書き留めておかなければいけない気が
して、ノートに写しとる。
通り過ぎる人々が目をとめて振り返るほどに。
ひとり黙々と。
これは、人生に起こるすべてのことはどんなに楽しくても、どんなに
辛くても、必然であり、その人にとって価値あるものでしかありえない。
そんなことを馬鹿みたいに信じさせてくれる詩。
愛溢る癌を抱いて
〜癌・君への手紙〜
前ぶれも無ク二〇〇四年の正月ニ
君ガ突然ヤッテ来てカラ
私ト私ヲ取リ巻ク生活ハ困惑ト激震ニ次グ激震ダッタ。
シカモ君ハ重症ノ黄疸ト云フ仲間ヲ連レテ
ヤッテ来タカライキナリ私ハ余命ガ2日。
お陰で私ハ怖ガル暇モ時間ヲ持ツコトモ無ク
月ヘ逝つ(タビダツ)心ヲ決メタ。
ダケドその時小サナ奇跡デ私ハ死ノ淵カラ
三週間ダケ連レ戻サレタ。
何故か今、アレハ君ガヤッタコトデハナカッタロウカト
ソンナコトヲ思ッタリスル。
そして一時ノ延命処置で私ハ余命六ヶ月。
手ヲ打ツ術モ選択ノ余地サヘモ無イ場所ニ君ガ陣取ッタト言フコトハ
私ニトッテハムシロ幸運ダト思ッテイル。
何故ナラもう何も迷ふ必要ガ無イカラダ。
ただひたすらに残サレタ今ヲ生キルコトダケガ私ノモノ。
ソレハある意味確カナ手応ヘトモ言ヘルコト。
私ハ君ヲ大キク誤解シテイタ様ダ。
君ハ災イバカリヲ運ブモノダト身構エテイタ。
しかし君ガ来テカラ七月過ギタ今ニナッテモ幸せバカリ。
何ヨリモしみじみと深ク滲ミ出ル人間ノ愛ヲ
浴ビセンバカリニ見セテクレタネ。
嬉シカッタヨ。
人トシテこの世ニ生キテ幸せダッタト
本当ニ最後ニコンナニモ強ク思ワセテクレタネ。
不覚ニモ、ダカラ、モット生キタイナドト思ッテシマウ。
余命ヲ楽シムヨウニト医師ハ言ウケド
あなたが一所懸命ニ作リ出シテクレタ命ヲ
例ヘ短イ時間デアロウト死ノタメニデハナク
生キル準備ノ為ニ使イマス私ハ彼ニ伝ヘタヨ。
ゴメンネ。私ハ君ト闘ウ気ハ無イ。
勝テル相手デモナイダロウ。
ヤガテ必ズ君ハ私ノ命ヲ運ンデユクダロウ。
シカシソレハ恐ラク私ノ寿命ト言フコトダカラ
君ノセイデモナイダロウ。
アノ小サナ奇跡モ巡リ会ッタ医師モ
癌ト言フ手強イ君デサエ
私ニハ運命ト言フ不思議カラ授ケラレタモノのヨウニ思エテナラナイ。
最後ニ君ニシッカリ伝ヘテオキタイコトガ有ル。
私ハ君ヲ怖イト思う。
友達ニナル気ナド毛頭ナイ。
ケレドモソンナ気持チヲ遙カニ越ヘル宝ヲ運ンデクレタのも君。
君ヲ嫌ダト思ッタコトハタダノ一度モ無イノモ真実。
最期ノ時ニついウッカリと君アリガトウナドト
口ヲスベラシソウナ気ガシテコワイヨ。
ア、ソレカラ忘レズニ。
私ヲ運ンデユク先ハ月。
そこでうさぎヲ手伝ッテ悩メル人ガ
見エタ時ツキタテヲ一つ落トシテアゲラレルダロウカラ。
二〇〇四年七月に
愛溢る癌を抱いて 環水
[本日の日記に★ざぶとん一枚★]
投稿者 遙 : 2004年08月06日 11:04 | トラックバック (121)ありがとうございました。
はるかさんが書き留めてくださったおかげで
私もこの詩を読むことができました。
はじめまして。
楽天から流れてきました。かめいしといいます。
よく行く日記でリンクされている日記のさらにその先で
リンクされていたという、偶然です。
こういう偶然を大切にしていきたいと思っています。
これからちょこちょこ寄らせて頂きます。
Posted by: かめいし : 2004年08月07日 18:47読ませてもらって、肩の力が抜けました。
つらいことがあると結構簡単にめげてしまいがちな
私ですが、自分のために用意された出来事だと
これからは受け止めようと思います。