2004年05月17日

社会的責任投資(SRI)の本質

佐久間京子さんというベルギーでSRI調査(社会的責任投資)の会社
を作られた女性の講演を聞いてきたのですが、非常に面白い論点で
した。昨今のSRI・CSRの盛り上がりを立ち止まって考えさせられる
視点でした。

●「SRIは持続可能な社会の発展のため」というのはほんとうか?
・企業のサスティナビリティ=持続可能な発展といえるのか?
・SRI基準を満たす企業=サスティナブルな企業といえるのか?
・GRI指標=SRIの評価基準でよいのか?
※GRIとはGlobal Reporting Initiativeの略。1997年に米国のNPOで
 あるCERESと国連環境計画(UNEP)との合同事業として、経済・環境・
 社会の要素を取り入れた持続可能性報告のガイドラインを策定、
 普及させることを目的とした国際的プログラムのことを指します。

●SRI調査や情報開示にかける企業の予算と時間は莫大だが、その情報
 は誰のための情報なのか?
・世の中の役にたっているのか?
・そのお金を別のことに使ったほうが社会のためになる可能性もある
 のでは?

●各論ではなく、日本の歴史や文化を前提として、社会全体をどうデザ
 インしていくのか、どういう社会のビジョンなのかが明確になって
 初めて企業の社会における役割がわかるはずではないのか?日本に
 は、そうしたビジョンを共有するための市民意識がまだ醸成されて
 いない。

と、最後のところはソーシャルキャピタルの話に繋がるような話題で
閉じました。

「社会的責任」という言葉は、無条件に「持続可能な社会のために」
と置き換えられてしまいがちですが、ほんとうにそうなのだろうか?
誰もそのロジカルリンクを検証してないではないか。そんな問題提起。

そして、ほんとうに社会のためになる企業行動は、調査のための調査
からではなく、社会における企業のあり方、社会のデザインから生ま
れるものである。そういうお話だったように思います。

とても考えさせられました。
今もまだ考えています。

投稿者 遙 : 2004年05月17日 11:18 | トラックバック (1)
コメント

はじめまして。
最近、読まさせていただいています。

自分もSRIとか非営利法人とか興味あって
とても参考になります。
将来はNPO立ち上げたいと思っています。

これからもぜひがんばってください!

Posted by: すみ : 2004年05月19日 01:29

初めまして。

以前、Corporate GovernanceとSRIの調査を仕事をしていました。


SRIにおいて大切なことは、個人や組織が理念に基づき、投資活動や企業活動を通して、こうなったらいいなーと思うような、よりよい社会を作るための行動だと思います。

例えば、1970-1980年代には、Dow Chemicalの株主が、Dow Chemicalに対してベトナム戦争で使われたOrange Agent(ナパーム弾?)の製造中止の株主提案を行ったり、ある株主はKodacに対し、職場環境での人種偏見の改善を促したりと、数多くの例があります。また、アパルトヘイト撤廃のため、欧米の機関投資家が南アフリカへ投資しいている企業への資金援助を控えるなど、1980年代に盛り上がりを見せ、国際的に大きな影響を与えました。

SRIは投資活動により、よい社会を作る、という1つの有効な手段だと思います。

Posted by: Duke : 2004年05月19日 05:20
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