2004年12月31日

「ヒト」が活きる博物館

夕方からは、Museo de Na Blomという博物館を訪れました。これが、
とんでもない掘出し物で、素晴らしかった!!彼らの取り組みは、
明らかに社会起業家的です。

博物館の起源は、スイス人人類学者の女性とデンマーク人男性が、
ラカンドンというインディアンの村と現代に伝わるマヤ文化を研究する
場所として始まりました。

彼らは、当時ゴーストハウスと呼ばれていた廃墟をなんと10万円
で買い取り、みんなの手でリフォームしました。そして、半分を博物館
と研究施設に、そして半分を旅行者が泊まることのできるホテルにした
のです。

Na Blomは、ラカンドン村で作られる民芸品を売ることと、このホテル
からの収益、年間2万人が訪れるという博物館への入場料などで25人の
スタッフをまかなっています。

↓ちなみに10万円には幽霊の値段は含まれていなかったようです。

Na Blomの図書館には、マヤインディアンにまつわる数え切れないほどの
蔵書が蓄えられ、重要な国際会議もこの場で開かれたり、各国の要人が
訪れることもしばしば。

そして、Na Blomは、世界中から人類学者や文化学者、若いボランティア
スタッフが集まるコミュニティでもあります。夕食の時間には、すべて
のスタッフとボランティア、それからその日に訪問した数名のゲストで
レストランの食卓を囲みます。昔は、路頭に迷うインディアンの子供を
つれてきてはやはり家族のように一緒に食事をとったそうです。

ガイドをしてくれたぺぺというマヤの末裔の人(奥さんは日本人だという
ことが後で判明!)も、2歳のときに母親と一緒にNa Blomに来て、それ
以来42年間、この食卓で食事をとってきました。彼は今ではひとりの
人類学者として、ガイドとしてNa Blomで暮らしています。

ラカンドン村に対しては、研究のために訪れるだけではなく、病気の子供
や妊婦のケアを行ったり、彼らの作る民芸品を町で売るための支援をして
います。

また当初は、マヤ文明やラカンドンの文化を守り、研究するためにあった
施設も、インディアンをとりまくジャングルが伐採されつつある今、環境
に関しても先進的な取り組みをするようになっています。

例えば貴重な木の苗を増やして植林し、すでにその90%を失ってしまった
森をよみがえらせる活動。そしてNa Blomに併設された学校では、子供たち
が木を植え、自然と共に育つプログラムが生まれました。

Na Blomは、まさにひとつの生態系として機能している。

関わるすべての人が、
自分の心から興味のあることを研究し、
情熱を持って人に伝え、
また存在している環境そのものにも絶えず働きかけながら
次の世代を確実に育てていく。

そんな大きな家族のようなコミュニティ。

「持続可能」という言葉はあちこちで使われているけれど、その本質を
頭とハートで理解し、そしてここまで完全に近い形で体現している現場
を見たことがない。

時代にあわせた新しい試みを恐れず、
現代のコンテクストの中でも十分に機能し、
同時にはるか昔から続く人のつながりや温かさを忘れずに
保ち続けている空間。

この素晴らしさをもっともっと伝えたいのに、うまく表現しきること
ができずにいてもどかしい。

Na Blomについて「社会起業家達の挑戦」メールマガジンでも書きました!

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投稿者 遙 : 2004年12月31日 09:02 | トラックバック (4)
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