親しい友人を中心に、近況報告も兼ねて、ふとしたタイミングでお便
りメールをお送りしてします。ただの近況報告だとつまらないので、
なるべく季節のテーマにあった、そしてそのメールを読んでいる瞬間
だけでもゆったりとした気分に浸ってもらえるような、そんなお便り
を心がけています。つい先日のテーマは桜。このお便りには、ずい
ぶんいろんな方から素敵な反応をいただいたので、原文をこちらに
掲載したいと思います。
今年も桜の季節がやってまいりました。
日本の春の象徴とも言うべく桜。その梢いっぱいに一片の葉もなく、
ただただピンク色の花に埋め尽くされている様子に他の草花には
ない圧倒的な美しさと妖しさを感じとる方も少なくないでしょう。
日本語にはそんな桜の咲きぶりをあらわすこんな素敵な言葉があり
ますね。
咲き初め
三分咲き
五分咲き
七分咲き
満開
散り初め
落花盛ん
そして散り果て。
どのステージの桜をもっとも美しいと感じるか、人によって差が
でてくることと思います。
私がいちばん好きなのは、咲き初め。
はちきれんばかりに膨らんだつぼみと、おそるおそる花びらをのぞ
かせる花たち。「これからいったいどんなに素敵に咲くことだろう」
そんな期待を抱かせてくれる。
そして、散り初め。
満開の花の中、はらはらと散りゆく花びらが視界の中に飛び込ん
でくる。「きれいだった?あなたに出会えて幸せでした」
今にもそんな声が聞こえてきそうな風景。
そんな桜の開花ステージは、同時に私たち人生のステージを思い
起こさせてくれます。
人生の希望に満ち溢れた「咲き初め」の時期、その才能を少しずつ
発見していくプロセスである「三分咲き」から「七分咲き」にいた
る時期、そして自らの能力と周りの環境に恵まれて最高のパフォー
マンスで他を圧倒する「満開」の時期。さらに、後に続くものへの
気遣いを感じさせる「散り初め」、そして自らの力を惜しげもなく
後に残していく「落下盛ん」な時期。
最後は自らの力や経験を出しつくし、伝えつくし、「散り果てる」
ほんとうは「散り果て」の姿がいちばん美しいのかもしれない。
美しく咲き誇る桜の花を眺めながら、ふと、そんな風に思いました。